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妹だいあり~♡

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    2018 / 12 / 26
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◎12月24日/今日はクリスマス・イブ、らしい。どうでもいい。心底どうでもいい。兄さんと一緒に過ごせないクリスマスなんて、カレンダーから消えてもかまわない。…というか、むしろ積極的に消してしまいたい。兄さんよりカッコ悪くて、背も低くて、チンポも小さい哀れなボーイフレンドと、これ見よがしに腕を組んでクリスマスの巷にくり出すバカ女どもは、みんなみんな絶滅してしまえばいい。昨日、地下鉄で偶然兄さんを見かけたときは、もしかしたら神様がクリスマスプレゼントに兄さんと巡り会わせてくれたのかもしれないと、柄にもなく神様に感謝の祈りを捧げたけれど…どうやら神様は、そこまで親切ではなかったらしい。私に親切でない神様なんか嫌いだ。みんなみんな大嫌いだ。兄さんと悪い魔女の生ハメ動画で、昨夜は何回も何回もオナニーした。7回目から後は、数えてないから覚えていない。イキっぱなしで頭が悪くなって、数を数えられなくなったともいう。悔しくて、悲しくて、胸が張り裂けそうだったのに…オマンコはすっごく気持ち良かった。信じられないくらい気持ち良かった。もしかしたら、嫉妬という感情は、快感を煽りたてるスパイスなのかもしれない。などと、オナニーの余韻を思い出しながら、クリスマスでにぎわう街角を歩いていたら…見つけた!昨日の今日だから、見間違えるはずもない、兄さんだ!!やっぱり私たち、巡り会う運命だったんだ!神様ありがとう!!嫌いとか言ったの、アレ、嘘だから。けれど兄さんは、昨日とは違う女と…お尻ばかりデカくて、胸は私とそう大差ない女と、楽しそうに仲良く腕を組んで、クリスマスツリーを見上げていた。なんだか、やけにイイ雰囲気で、恋人オーラをふりまいていた。なるほど、ようするに…『悪い魔女』は、一人だけじゃなかったのね?みんなして、私から、兄さんを奪おうというのね!?こっそり後をつけると、二人はそのままイチャつきながら、高そうなホテルへと入っていった。ああ、そうよね、今夜は一年中で一番セックスしまくる…性の6時間だったものね。よっぽど乗り込んで行って、横っ面のひとつも殴り飛ばしてやりたかったけれど、冷静沈着な私はぐっとこらえた。代わりに、ホテルのはす向かいにある24時間営業のコーヒーショップで、二人が出てくるのを見張って待つことにした。たぶん、朝まで出てこないんだろうな。キャラメルマキアート一杯で一晩ねばることになるだろうけど、私が悪いんじゃないわ。恨むんなら、クリスマスというとセックスすることしか思いつかない、あの二人を…主に、女のほうを恨んでね?テーブルに備え付けのコンセントに充電ケーブルを繋いで、おもむろにスマホのゲームを立ち上げる。さて、二人が出てくるまでに、どれだけイベント進められるかしら?◎12月25日/日付も変わって、今日はクリスマス。イブより影は薄いけれど、それでも本来、こちらが正真正銘のクリスマス。たぶん影が薄いのは、性の6時間の後で、みんな賢者モードになっているからだろう。なんだか、本来恋人であるはずなのに、悪い魔女にたぶらかされた兄さんに振り向いてもらえない私みたいで、ちょっと悲しくて…ものすごく腹立たしい。二人を待つ間に、ゲームのイベントは完走してしまった。新しく配布された星4のキャラは、レベルMAX必殺技MAXまで育てたし、オマケの着替えまでぜんぶ揃えた。ボックスガチャもぜんぶ開けて、取りこぼしは何もない。ついでにダメ元で回したピックアップガチャでは、レアものの星5キャラまで引き当てた。本当なら嬉しいはずなのに、その子のやたらとデカいお尻が、さっきの悪い魔女とダブってちょっと腹が立つ。セクシーだとかほざいてても、デカいお尻なんて…将来きっと垂れるに決まってるんだからね!!夜が明けて、店員の嫌そうな顔も見飽きた頃、やっと二人がホテルを出てきた。あんたたち、いったい何発ヤリまくってたのよ!?いくらクリスマスだからって、限度ってものがあるでしょ、限度ってものが!?タクシーに乗った二人を追って、慌てて私も店を飛び出し、タクシーを拾う。『前のタクシーを追ってちょうだい!』と言ったら、中年の運転手に『お嬢ちゃん、探偵ゴッコかい?親のすねかじりで結構なご身分だねえ』と笑われた。乗務員証に描いてある名前と会社名をしっかりメモに書きとめる。後でタクシーセンターに苦情入れてやるから、今はさっさと見失わないように追っかけて!!そして、たどり着いた先は、こともあろうに…帝室だった。皇帝陛下が、住んでらっしゃるところだ。住宅街のド真ん中で、ぱっと見は大会社の社長宅か映画スターのお屋敷にしか見えないけれど、それでもれっきとした、ウチの帝国の皇宮なのだ。地味だけど。言われてみれば、玄関先で頬を赤らめて兄さんとキスしてる女は…皇帝陛下に、ちょっと似てる。というか、どう見ても本人でしょ、アレ!?思い出してみれば、一昨日の地下鉄の痴女も、なんとなく教科書で見た顔のように思えてくる。…なるほどね、なるほどなるほど。つまり、敵は『帝国』ってことなのね?帝国が、私から兄さんを奪おうとしているのね!?いいじゃない!上等じゃない!私の兄さんへの愛が、そんなことでくじけるとでも思っているの!?気分はもう、悪いドラゴンから王子様を救い出す、『プリンセスナイト』だった。姫騎士がいつでも負けて、泣き寝入りして、ヒイヒイよがり狂うと思ったら大間違いよ!!見てなさい!必ず兄さんを、取り返して見せるんだから!!◎12月26日/今日から、本格的に張り込みを開始することにした。さすがに、真正面から敵地に乗り込むのは、戦力差を考えてもあまりに分が悪すぎる。まずは、兄さんの日々の行動を逐一監視して、一人きりになるタイミングをうかがう。悪い魔女が皇帝陛下だと分かった以上、慎重な上にも慎重に計画を立てなければならない。暗視スコープも買った。集音マイクも買った。好機を逃さないために、ピッキングツールとスタンガンも買いそろえた。逃走用の足としてハイエースも用意できれば良かったけれど、あいにく無免許なのでそれは無理。代わりに、中古の配送用三輪スクーターを手に入れた。これなら、兄さんを拉致して二人乗りしても逃げきれる…はず(?)。無免許なことに変わりはないけど、普免の無免許よりは原付の無免許のほうが、罪も少しは軽い…はず(!?)。いや、兄さんを想う愛ゆえだもの、罪に問えるはずがない!罪に問うなら、そいつのほうが悪い!!私は、絶対に兄さんを取り返す!絶対に、兄さんを私のものにしてみせる!!…兄さん、兄さん兄さん兄さん、あああ!兄さんっ!!…あ、玄関のドアが開いた。兄さんと悪い魔女が、行ってらっしゃいのキスをしている。そんな女とキスなんかしないで、兄さん!頬を染めて手を振りながら、兄さんが出てくる。駅前のほうに歩いていく。あの方向にあるのは、コンビニとパチンコ屋とドラッグストア。兄さんは、どこに行くつもりだろう?見失わないように、けれど気づかれないように後を追う。焦っちゃダメ。チャンスはいくらでもある。焦って動いて、すべてブチ壊しにしてはいけない。兄さんを私のものにする計画は、今、始まったばかりなんだから。待っててね、兄さん。兄さん兄さん兄さん、あああ!大好きよ兄さんっ!!