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皇帝陛下と革命家

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    2019 / 03 / 27
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世の幼馴染みがすべて、世話女房タイプだとは言わない。リ「ほらほら、ネクタイ曲がってる!ああもうっ、寝癖も直してないじゃない!?進路相談の家庭訪問なんだから、保護者のお兄ちゃんがだらしなくしてると、恥ずかしいのはイクちゃんなんだよ!?…うん、こんなもんかな。いい?ちゃんと身だしなみ整えてれば、同志ちゃん世界一のハンサムなんだからねっ♡」しかし、リンに限って言えば、間違いなく世話女房タイプだった。しかも、押しかけ女房タイプ込みの。さっきから黒陛下がこちらをにらみつけている。ラムちゃんも面白そうにながめている。うん、長年の勘で分かるが、たぶんコレは…一波乱あるぞ?(汗)黒「なんかさー、リンさんの新妻力って…凄くね?あたし、婚約者なのに、ぜんぜん勝てる気がしない…」ラ「そりゃまあ、あっちは筋金入りの幼馴染みだもん。積み重ねた年月の重みが違うわよ。宿題見せてもらったり、運動会で二人三脚したり、家族ぐるみでピクニック行ったり…世話が焼ける彼氏さんに、面倒見のいいリンさん。お似合いの可愛らしいカップルじゃないの」黒「イイよなあ…幼馴染みって。くっそ~!あと一駅ずれてりゃ、あたしも同じ学区域で同じ学校通えてたのに~っ!」ラ「ナニ言ってんのよ。黒ちゃん私といっしょで、幼稚園から高校までエスカレーターの女子校だったじゃん。無いものねだりもたいがいにしときなさいよね?」黒「ううっ。リンさん、アイツと幼馴染みなのに…あたし、こんなヤツと腐れ縁。世の中ホント不公平だわ~」ラ「よーしよし、よく言った。同窓会名簿から消してやるから覚えとけよ?幹事、私だからな?」いきなり、黒陛下がすっくと席を立ち、つかつかと俺たちに歩み寄る。黒「ねえ!ちょっとリン!!」あれ?『さん付け』が消えた?黒「決めた!あたしとあんたたち、今日から幼馴染みだからねっ!!皇帝権限で決めたからっ!!文句なんか言わせないからねっ!?」またナニか、黒陛下がとんでもないコトを言い出した。下手に抗弁するとまた暴れるだろうし、ひとまずスルーしておくほうが無難か?(汗)リ「…ぷっ!ナニそれ?本気!?康熙さん、デロリアンに乗って過去改変しちゃうの!?」…って言ってるそばから、リンが挑発ぎみに食いついたー!?(涙)黒「他人行儀にさん付けするなーっ!『康熙』って呼び捨てにしろ、呼び捨てにっ!…別にいいでしょ!チャリで20分もしないとこに住んでたんだから、ほとんど幼馴染みみたいなモンじゃない!!それと気づかなかっただけで、同じバスに乗り合わせてたり、同じコンビニのレジに並んでたかもしんないじゃない!?つべこべ言わずに『幼馴染み』ってコトにしときなさいよ!そうなる可能性だって、十分にあったんだからっ!!」しばし呆気にとられていたリンが、思わず腹を抱えて笑い出す。笑いすぎて涙まで浮かべている。リ「こーちゃんバカ!バカすぎて笑い止まんないっ!あ、あははははっ、やだ、笑いすぎてお腹痛いってば♪」黒「こ、こーちゃん呼び!?」リ「うん。だって、あたしのほうがちょっぴり年上だし。幼馴染みだったら、こーちゃんで十分でしょ?昔からちっとも変ってないんだねえ、こーちゃん♡トイレ行きたいのに意地張って我慢してオシッコ漏らしちゃったり、水着忘れて見学してればいいのに泳ぎたくってスッポンポンでプールに飛び込んだり、初めてラブレターもらってスキップしながら待ち合わせ場所に行ったら、後輩の女の子に『お姉様って呼んでいいですか♡』って告白されて目を白黒させたり…ホント、昔っからバカだよねえ、こーちゃんってば♡」黒「な、なんでリンがそんなコト!?…って!?」キッと黒陛下がラムちゃんをにらみつける。もちろん、ラムちゃんは明後日のほうを向いて口笛を吹いている。リ「いいよ♡こーちゃんも、同志ちゃんも、あたしの大切な幼馴染み♡今夜は三人で、思い出話に花を咲かそっか?林間学校で同志ちゃんが、あたしをスッポンポンにひん剥いちゃった話とか♡」ラ「え?ナニそれナニそれ!?聞きたい聞きたい!私も聞きたい~っ♡」リ「うん、ラムセスさんも…ううん、ラムちゃんもニュー幼馴染みだし、聞かせてあげちゃいましょう♡あのね、林間学校行ったら、すっごい恐い吊り橋があったの。すっごく高くて、川なんかはるか下で。あたし、高所恐怖症だから、足がすくんで一歩も動けなくなっちゃったのね。だけど、同志ちゃんが『大丈夫だよ、リンちゃんにも渡れるよ。ボクが手伝ってあげるからさ』って言うから、あたしてっきり、おんぶでもしてくれるんだと思ったの。それなら、目をつぶって同志ちゃんの背中にしがみ付いてれば、きっと大丈夫だからね。『ああ、やっぱり同志ちゃんは優しいなあ♡』って、思ってたら…いきなり同志ちゃん、あたしのワンピースもパンツもぜんぶ脱がして、スッポンポンにひん剥いて『ほ~ら!早く追いかけてこないと、クラス中みんなにオマンコ丸見えだぞ~!?』って、すたこらさっさと吊り橋の向こうへ駆けてって。あたし、高所恐怖症も忘れて、涙目で追っかけたわよ。ええ、そりゃもう、オマンコ丸出しで必死に吊り橋渡りきってたわ…」あああ、黒陛下とラムちゃんの視線がめっちゃ痛い。(泣)黒「…やっぱさ、このバカ、あたしらがちゃんと手綱握ってないとダメだわ。つくづくそう思う」ラ「そだね。こりゃ幼馴染み、リン一人じゃ手が足んないわ。私と黒ちゃんも入れて、三人がかりでやっとかも?悪ガキだったんだろうなあとは思ってたけど…さすがに、ココまでとは」リ「ねっ?ねっ?そう思うでしょ?同志ちゃん、世話焼けるのよ、あたし一人じゃ手に負えないのよ!ホント今からでもデロリアンに乗って、あたしたちのクラスに転校してきて欲しいくらいなのよ~!」ふと脳裏に、ありえなかったはずの光景が浮かぶ。リンと黒陛下とラムちゃん三人そろって、ホームルームの反省会で吊るし上げられる…俺。『同志ちゃんがイケナイと思いま~す!』『ちっ、反省してま~す』『ちってナニよ、ちって!?女の子泣かしてんじゃないわよ、このバカ!!』『い~っけないんだいっけないんだ~!先生に言ってやろ~♪』…うん、過去改変はいけないよね。歴史の法則が乱れるよね。(白目)